一瞬の縁であっても、私の人生に関わり、スパイスを加えてくれた人たちとの日常を綴る。

2008年9月11日木曜日

月を見て泣く



午後8時。

面会時間の終了を知らせるアナウンスが流れると、

父は毎回、

「じゃ、また明日。気をつけて帰りなさい。」と言った。

そんなある夜、病院を出て、駐車場へ歩いていると、

自分の影に気がつき、目をあげた。

大きな月があった。

やっと涼しくなった駐車場の車の上にも月は反射して輝いていた。

カーテンを閉めた父の病室の窓からこの月は見えない。


眠れぬ夜を、死を感じつつ静かに孤独と戦っていたであろう父。

最後の入院から3ヵ月後父は亡くなった。


葬式も済んだのに、父に会えないことが信じられず、

幾晩も、幾晩も墓の前で佇んだ。

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